臨床工学技士の就職

新卒臨床工学技士の就職

臨床工学技士の就職は、企業への就職を目指す場合はごく一般的な学生と同様の就職活動になりますが、病院希望の場合は、大きく2つあります。ひとつは、各学校に寄せられる求人。もう一つは、インターネット上の情報です。
臨床工学技士の養成校には、各病院から臨床工学技士の募集の連絡がきます。そして、その病院の求人情報が学校の掲示板等に貼りだされます。受けたい病院があれば、学科長などに申し出て、病院に採用試験を受けに行くという流れになりますが、毎年、どの病院が募集を出すかは分かりません。そしていつ募集が出るかということも決まっていません。つまり、就職活動をする学生には非常に悩ましいシステムとなっていいます。
例えば、自分の行きたい病院がなかなか募集がでないので、10月ごろに違う病院の採用試験を受けて、合格したが、年明け1月頃に自分の行きたい病院が募集を出すということも、よくあるのです。
かといって、募集が出るか出ないかも分からない事なので、いつまで待てばよいのかも目途が立てれませんので、この辺りが難しいところだと思います。
インターネット上の求人は、各病院のホームページに掲載されている求人や新卒向け就職サイト(グッピー求人など)、日本臨床工学技士会のホームページでの求人などが主です。
こちらも、各病院が募集を出すのか、出すとすればいつなのかが分からないので、自分の思ったタイミングで求人を見つけることは、非常に困難です。
他には、県や市のホームページに公募があるときもありますが、こちらは例年の傾向をチェックしていれば、おおよその時期だけは分かりますが、募集が出るか出ないかは不明であることには変わりがありません。
どちらにしても、毎回チェックしなければならないので、ホームページをみていなかったら、いつの間にか募集があって、いつの間にか、採用試験が終わっているという事態もあり得ますので注意が必要です。

新卒臨床工学技士の進路

新卒臨床工学技士の進路は、病院、クリニック、企業、専門学校などの教員などがありますが、ほとんどが病院に勤務しています。
クリニックは透析クリニックになり、仕事内容は透析のみになってしまいます。透析患者は毎年増加しており、新規に透析クリニックを開業する医師もいますので、そうすると開業と同時に就職することができることもあります。
企業は、医療機器のメーカーや代理店が多く、医療機器メーカーによっては、臨床工学技士の資格を持っている人が欲しい場合もありますので、有利になる場合もこともあります。これは、まだまだ、企業の社員が医療機器の操作をしている施設も多いという裏返しでもあります。
企業の営業担当者などが、人工心肺、補助循環(PCPS・IABP)、ペースメーカー、血液浄化などに携わっていましたが、最近ではようやく臨床工学技士の仕事となってきました。
専門学校の専任教師という進路もありますが、臨床経験無しにいきなり学校の教師になっても経験を伝えられませんので、やはり、何年か経験してから学校の先生になるべきでしょう。
最近では、5年以上の臨床経験が必須というような教師の募集も目立ちます。

臨床工学技士の需給

臨床工学技士(以下、ME)の人数は、現在約20000人。病院の数は約8000施設、それに透析クリニックを加えると、MEが活躍できる施設は、10000施設を越えます。多いところでは、1つの病院に20人位のMEが在籍していますが、反対に、まだMEがいない病院もありますので、 MEの需給は、検査技師や放射線技師が飽和状態になり、就職困難な状況と比較すると、MEは就職しやすいと言えます。また、新しい医療機器や治療法が出てくるたびに、仕事や領域が増えますので、未来は明るいと言えますが、一方で毎年1000人以上の国家試験合格者が出ますから、将来的に飽和状態になるかも知れません。