薬剤師の就職

新卒薬剤師(薬学生)の就職

これまでの薬剤師の就職で多いのは、「薬局・ドラッグストア」「病院」「製薬企業・CRO」でした。
4年制で最後に卒業した2009年の新卒薬学生は、「薬局・ドラッグストア」に36.7%、「病院」に18.7%、「製薬企業・CRO」に8.3%が就職しています。「進学」は25%です。
そのなかでも、「病院」「製薬企業・CRO」への就職は例年難易度が高いです。
調剤薬局とドラッグストアでは調剤薬局のほうが人気があるようで、その背景に、将来薬剤師が余ったときに調剤の経験がないと薬局で働くことが難しくなってしまうのではないかという不安があります。
最近は調剤を全くやっていないドラッグストアは少なくなりましたが、調剤未経験でも受入れに関しては前向きなところも多く、逆に調剤経験があってもコミュニケーション力がない人のほうが、転職は難しくなっていくと思います。

新卒薬剤師の進路

薬学教育協議会の資料によると、4年制最後の新卒薬剤師の進路は以下の通りです。
卒業生総数(平成21年3月薬科大学卒業生・大学院修了者):10,693人

<男性>
  • 進学:35.3%
  • 薬局:26.8%
  • 病院:11.3%
  • 企業:9.4%
<女性>
  • 薬局:37.0%
  • 病院:21.3%
  • 進学:17.3%
  • 企業:7.3%

この流れから初めての6年制の薬学生の就職先はどうなるかざっくりと予測してみると、「進学」はかなり減少し、「薬局・ドラッグストア」への就職は40%を超え、「病院」は20%強、「製薬企業・CRO」は10%前後になるのではないでしょうか。
人数にすると、現在5年生が約9000人ですので、「薬局・ドラッグストア」に4000人、「病院」に2000人、「製薬企業・CRO」に1000人ということが予想されます。

薬剤師の需給

薬剤師の将来を考えるうえで影響が大きいのは需要と供給(需給)のバランスです。大学の薬学部の数は、2002年46校、定員数8110人だったのが、2007年には72校、定員13164人と急激に増加している。薬学4年制から6年制の移行に伴い、いったん新卒薬剤師は減るものの、初の6年制が卒業したあとは、毎年増加傾向にあると予測されている。しかし日本の人口は少子化の影響により今後減り続けるといわれ、人口に対する薬剤師数は将来余剰となる可能性が高いと考えられます。